こんにちは。タケナカです。
前回の記事に引き続き、今回はキナバル旅行のキナバル登山編です。
今回の登山は3/14-15の日程でした。山小屋泊の一般的な御来光登山のプランです。結果から言うとスコールには一度も遭うこともなく終始お天気は良好で山頂まで登頂出来、御来光も見ることが出来ました。
コタキナバルの観光編はこちらをどうぞ。
今回はHISのキナバル山登頂チャレンジツアーで登山しました。
目次
キナバル山とは
キナバル山は、マレーシアのボルネオ島北部に位置する標高4095.2mの山で東南アジア最高峰です。日本からみて南南西にあり、日本との時差は1時間です。
赤道に近い位置ということもあって、山頂こそ寒いですが登山口は暑いくらいで、登山の道中には熱帯独特の動植物を見ることができます。キナバル山のあるキナバル自然公園はユネスコの世界自然遺産です。
キナバル登山一日目は、登山口から宿泊するラバンラタの山小屋まで向かいます。朝6時にホテルを出発し、登山口のティンポホンゲートを目指します。コタキナバルの街からは2時間ほどで登山口まで到着します。
基本的にキナバル登山口までのアクセスはバスかツアーの車になると思います。
キナバル 吊り橋
登山口を目指す道中でガイドさんが吊り橋を紹介してくれたので少し立ち寄りました。
吊り橋からの眺めです。朝日が綺麗でした。近くにポーリン温泉という温泉もあるそうです。どうやら昔に旧日本軍が掘り当てた温泉らしいです。
キナバル山 管理事務所
キナバル山では入山届提出、入山料の支払いおよびガイドの随行が義務化されています。個人で来た場合もガイド同行で無ければ登山できません。HISのツアーの場合はポーターさんが付いてくれるので、10kgまで荷物を持ってもらえます。
こちらでガイドさんに従って入山届けを済ませます。パスポートの提示が必要です。
これから登るキナバル山が見えています。ここから登山口のティンポホンゲートまでまた車で15分ほど移動します。
ちなみにキナバル登山の服装は最初は半袖でも大丈夫です。3000m付近になると若干肌寒くなりますが、登山口辺りは暑いです。人によっては山小屋まで半袖でも大丈夫です。
登山口では暑いですが山頂はさすがに寒いので服装は夏から冬まで一式必要になります。
キナバル山 ティンポホンゲート
ようやく登山口のティンポホンゲートに到着しました。こちらでガイドさんから登山コースなどの説明をうけます。
管理事務所で貰った個人カードをゲートで見せてAM9:30登山開始です。ティンポホンゲートは既に標高1866mですので、本日の宿泊するラバンラタ(3273m)までの標高差は1406mです。また、ティンポホンゲートから山頂までは片道8.5kmで標高差は2229.2mです。
2015年の地震で「ドンキーズ・イヤー(ロバの耳、Donkey’s Ears)」などが一部崩落しその影響で他の登山ルートは閉鎖中との事ですが、現在新たな登山ルートの開発も進んでいるそうです。
キナバル山の登山道は割と整備されていて歩きやすいですが、距離が長くスコールなどの恐れもあるので靴はスニーカーなどではなく、ちゃんとした登山靴で登りましょう。
ツアーで行く場合は皆で歩調を合わせて休憩をとりながら高山病にならないように登りますが、一応登山のコースタイムなどもあるそうです。
キナバル山 休憩小屋
登山開始から1km置き位にシェルター(休憩小屋)があります。休憩小屋は道中7か所もあり、全てトイレありでゴミも捨てられます。
各休憩所に水洗のトイレもありますが利用者の多い所は結構汚れています。乾季(2,3月)は雨が少なく、山頂アタックや御来光を見られる確率は高いですが、トイレが使えなくなったり荒れる率も高くなるそうです。
途中で少し開けたビュースポットがあります。風が心地よかったです。
キナバル山 ラヤンラヤン
12:30頃にラヤンラヤンの休憩所に着きました。こちらでお昼ご飯です。同じ場所でお昼にする方が多いので大混雑です。(この日はこれでもまだ少ない方とのこと)
最後まで登り切るのかは分かりませんが、割と小さな子供も登っていました。お昼を食べていると、野生のリスが餌を求めてやってきます。
キナバル山 ラバンラタ
15時頃に本日宿泊する山小屋があるラバンラタに到着しました。標高が3300m近くあるので、さすがに少し空気が薄い感じがあります。
ラバンラタで記念に写真を撮ってもらいました。左奥の白い山小屋の他に緑色の新しい山小屋も稼働しているようでした。
キナバル山 ラバンラタレストハウス(山小屋)
レストハウス(山小屋)の入り口です。
山小屋入り口横の階段から二階へ上がれます。
二階には宿泊用の部屋と、シャワー・洗面所・トイレなどがあります。部屋数は10部屋ほどありました。
部屋はこんな感じで二段ベッドです。布団も綺麗で富士山の雑魚寝などからは考えられないほど充実しています。各部屋にコンセントもありますので、携帯やカメラなどの充電も可能です。
男女混合の相部屋とのことでしたが、ツアーの男性・女性と部屋は分かれていて多少は配慮してくれているみたいです。部屋には鍵もついているので、ツアーで行く場合はレストハウスにある程度荷物も置いておけます。
山小屋だというのにシャワーもあります。水しか出ませんでしたが、富士山などの日本の山小屋では考えられないですね。スッキリして就寝・登頂アタックできます。
さすがにウォシュレットはありませんが、山小屋のトイレは水洗で綺麗です。これも山小屋としては十分すぎるほどです。
一階のレストランエリアに入ってすぐの所に著名人?や登山家の写真が沢山飾ってあります。
写真類その2 色々飾ってありますが、ほぼ誰かは分かりませんでした。
食事はビュッフェ形式です。
マレーシアの料理もありますが、パンやサラダ、スパゲティ、コーヒーなど割と万国向けのメニューもあるので好き嫌いがあっても大丈夫です。
一応、山小屋で水や食料・お酒も売っています。
ただし、街で買うより数倍値段は高いので、極力は麓で買ってくることをお勧めします。物はあるけど、ほとんど誰も使ってなさげな雰囲気でした。
レストランは結構広く100人くらいは入れそうです。さすがにレストハウスではwi-fiは繋がりませんでした。
レストランはテラス席もあります。(夜はちょっと寒いですが、夜に星を眺めるには丁度良いポイントでした)
キナバル山 ラバンラタ広場にて
高度3270mですが、現地のポーターさん達や欧米っぽい方がバレーボールをやっていました。
空気が薄いのに結構マジでやってたので、体力あるんですね。すごいの一言です。高山病にならないのでしょうか。。
ちなみに、ラバンラタまで来る途中に高山病で担がれて降りてくる人とすれ違いました。担いで降ろしてもらう場合はかなり料金がかかるそうです。富士山より高い山ですので、高山病にはくれぐれも気を付けましょう。
キナバル山 ラバンラタ散策・高山植物
あまり山小屋の屋内だけで過ごしたり、すぐに寝てしまうと高山病にかかりやすいと聞いたので、高度順応も兼ねて少し周りを散策して回ることにしました。(さすがにバレーボールは出来ませんが)
なるべく水分を摂りながら、ゆっくり一時間ほど散策ついでに高山植物などの写真を撮って回りました。高山植物1
高山植物に詳しくはないので名前は分かりませんが、いくつかアップしたいと思います。高山植物2
高山植物3
高山植物4 ヘビイチゴみたいな木の実。
高山植物5
高山植物6
高山植物7
高山植物8 タンポポみたいな花と綿毛。
夕暮れで山の稜線が綺麗でした。
ちなみに、今回のHISのツアーではありませんでしたが、キナバル山ではオプションでロッククライミングなどもあるみたいです。(もう一泊必要になりますが)
時折間近で雲にかかったりします。
この日は1時間ほど散策し、晩ご飯、シャワーなどを終えて20時頃には就寝しました。ただ、物音がうるさくほぼ眠れませんでした。
キナバル山 2日目山頂アタック
登山2日目はいよいよ山頂アタックです。AM1:30に起床しアタック用の服装に着替えて軽く食事をとったらAM2:30頃に山小屋を出発します。
その日の天気によって気温は大きく変化しますが、この日の山小屋付近はさほど気温は低くありませんでした。山小屋から9合目くらいまでは、軽めの服装で9合目から山頂までにまた気温が下がるので、そこで着込むのが良いかと思います。(その日の天候次第ですが)
山頂へのアタックにはポーターは付いてきてくれましたが、荷物は持ってくれませんので自分で必要なものだけ持って行きます。
山頂に向けての道のりは最初は階段が多いですが、真っ暗でヘッドライトは必須です。階段は隙間が空いているので暗がりでトレッキングポールを使うと少し危ないです。
全体的に登山道はそれほど危険を感じるような箇所はありませんでしたので、初心者でも体力さえあれば登れると思います。山からの夜景は綺麗でした。
最終ゲートのサヤサヤハットに到着しました。ここで再度自分のIDを提示する必要があります。
9合目くらいで少し東の空が明るくなってきました。
無事キナバル山頂から御来光が見られました。この日は登山客が少な目という事でしたが、山頂付近は結構渋滞したので登頂と同時くらいに御来光でした。
山頂からの御来光は本当に綺麗でした。この瞬間のために、何度も練習登山にも行き準備もしてきたので、嬉しさはひとしおでした。来てよかったです。。
山頂にて登頂の記念撮影。渋滞しているので数枚撮ってすぐに交代です。
雲が遥か下で幻想的な風景でした。山頂付近の気温は富士山に登った時と同じかちょっとマシ(暖かい)くらいでした。氷点下にはならず寒いのは寒いですが想像していたほど寒くは無かったです。
キナバル山では山頂でも雪が降ることはほとんど無いそうです。
山頂付近から、有名なローズピーク方面です。岩肌が乱れることなくシュッとまとまっていて綺麗です。
キナバル山はマレーシア・東南アジアの最高峰だけあって現地でもパワースポットとされているそうです。
朝日も昇ってきて、写真も撮ったので名残惜しいですが下山します。
キナバル山の山頂近くは一枚の岩のようです。表面はザラザラとしているので乾いていればトレッキングポールも使えますが、スコールなどで雨が降ると相当滑りそうな印象です。登りは真っ暗なので雨だと尚更危なそうです。
一部ロープを掴みながら登るところもありましたが、それほど危ないところはありませんでした。
今回の山頂アタックには水分は1リットルほどの消費でした。割と多めに水分補給したので人によっては500mlくらいでも足りるかもしれません。
山頂アタックは空気が薄いので荷物は極力軽くして行った方が良いですが、ポーターにも頼れないので水をどれだけ持って行くかは悩みどころです。
赤道に近いこともあってか、森林限界はかなり高く3500mくらいでは普通に木が生えていました。また山頂近くでも岩の隙間から草が生えていました。
キナバル山 下山
ラバンラタの山小屋で朝ご飯を食べ、準備をしたら少し休憩し、10時前に山小屋をチェックアウトして下山を開始しました。下山は登りで来た道を戻ります。
下山時はポーターさんが先導してくれましたが、ポーターさんは3人分の荷物(30kg近く)を背負って歩きスマホをしながらスイスイ降りていきました。やはり本職の人は凄いです。
道の脇に食虫植物のウツボカズラが普通に生えていました。結構大きかったです。
今回は野生のラフレシアは見られませんでした。どうやら雨季の方が見つかりやすいそうです。また、サバ州の東側の方が良く見られるそうです。
帰り道では野生のリスが近くまで来てくれました。(ボルネオカオナガリスという種類のリスです)写真は登山口のティンポホンゲート2階にて撮影。
今回は、行き帰り共に雨に一切合わなかったので、道も乾いていたので順調でした。下山は休憩をとりながら3時間くらいだったかと思います。
キナバル山ツアーでの夕食懇親会
下山後、一度管理事務所前のカフェでも遅めの昼食をとったのですが、一度ホテルに戻った後夜にはガイドさんも含めてツアー参加者皆で中華の海鮮料理を頂きました。
コタキナバルのホテルから割と近場ですが、街中のオープンレストランのようなところでした。
青菜炒め。料理はどれも美味しかったです。マレーシア料理ではなかったので癖は無く食べやすかったです。
ワタリガニ?ソースはスパイシーで多少南国の要素がありましたが美味しかったです。
マレーシアの地元のビールを飲んでみました。あっさりしていて日本のビールとよく似ています。凄く飲みやすかったです。
日本へ帰国
キナバル山から下山した際に、キナバル山の登頂証明書を頂きました。サイズはA4で名前入りで結構しっかりしています。
夕食懇親会を終え、一旦ホテルに戻って帰国準備をしたのち、0:50の飛行機に乗るべく空港へ向けて10時頃にはホテルを出発しました。
深夜発の飛行機だったので、空港は閑散としていましたが、無事搭乗できました。飛行機では機内食を食べたら、登山の疲れからすぐに眠ってしまい目が覚めたらもう成田でした。(最高のフライトでした)
帰国後、翌日にはマレーシア政府が3/18-31の海外からの渡航を制限すると発表され、ギリギリの海外旅行でした。無事に怪我や病気無く登頂出来て良かったです。
キナバル登山 まとめ
今回は3月中旬(乾季)の登山だったので、スコールにも合わず無事登頂・御来光を見ることが出来ました。今年最大の目標にしていたので達成できて良かったです。
かなり登山道も整備されていてトイレやシャワーもあり、道中はガイド同行が必須なので登頂難易度としては富士山などの日本の山よりも低いかもしれません。初めての海外登山には丁度良いと思います。
いつキナバル山に行くか迷っている方もいるかと思いますが、キナバル山のベストシーズンは乾季で雨やスコールの少ない2,3月あたりだと思います。ただし乾季はラフレシアが見られなかったり、山小屋の水が無かったりする恐れもあるので注意が必要です。
気温は年中あまり変わらないので、年末年始や冬場にも登れるのも魅力だと思います。費用も日本からならツアーでも20万円そこそこで行けるのでお得だと思います。